アカナージュとは、ぶどうの株をアカシア材の支柱にくくりつけ、同時に長梢(アスト)を固定させ、新芽の位置を適切な方向に整える作業のことです。
これは冬の期間、つまり11月から3月にかけてぶどう畑で行なう作業で、剪定と並んでとても重要な作業です。
例えば、耕耘(根元の盛り土をはずす décavaillonnage など)を行なう際に農機具があたってぶどう株を傷つけないよう、株部分は支柱にぴったりと固定する必要があります。
アカナージュにはシロヤナギの細枝を用いるのが伝統ですが、時代とともに毎年の手入れを必要としない合成素材に取って代わられています。
そんな中でもカロン・セギュールではシロヤナギの枝を使用する伝統法にこだわって作業を続けています。
ひと束9キログラムのシロヤナギの束を毎年800個ほど使用します。
1メートル60センチの長さに整えられたヤナギの枝が毎週配達され、実際に使用する日の前日、一晩水に浸しておきます。剪定同様にアカナージュも丁寧な技術を要する作業であり、担当チームは定期的に研修を受けています。
現在12名のスタッフがチームを組んで対応しています。多くの畑作業はペアで行なうのが伝統で、剪定は男性が、アカナージュは女性が担当するものでした。
毎年平均するとおよそ100万カ所を固定している計算になります。
つまり、女性スタッフひとり、1日に1000カ所を固定して回ります。